歯周病予防について
歯周病は予防できる病気です
国民病ともいわれているほど蔓延している歯周病は、メカニズムがはっきりしているので実は予防できる病気です。予防に欠かせないのが毎日の歯みがきなどによるセルフケアと定期的な歯科医院でのプロフェッショナルケアの「メインテナンス」です。こちらでは歯周病予防についてお話しします。
歯周病予防につながる「生活習慣」
バランスの取れた食生活
歯周病の原因菌は糖分を分解して増殖していきます。そのため糖分の多い食事を避け、バランスのよい食生活を心がけることが大切です。「これを食べれば歯周病が治る!」というような食品はありません。タンパク質・炭水化物・ビタミン・カルシウムなど栄養バランスを考えましょう。
十分な睡眠と休養
歯周病は感染症のひとつです。そのため抵抗力が落ちると感染したり悪化したりしやすくなります。睡眠不足やストレスをため込むような生活をしているとさまざまな病気にかかりやすくなる傾向があります。歯周病だけでなく健康維持のためにも十分な睡眠をとり、ストレスを解消し、しっかり休養してスッキリとした毎日を送れるよう心がけましょう。
禁煙
煙草を吸っている人は吸わない人に比べて歯周病発症リスクは2~7倍だといわれています。また喫煙者が歯周病にかかってしまうと症状を悪化させ、治療しても治りにくいという報告があります。歯周病の予防や治療、そしてその他の健康のためにも禁煙されることをおすすめします。
適度な運動
歯周病と糖尿病とは深いかかわりがあります。糖尿病の人は歯周病になりやすく、一方の病気の悪化にともない他方も悪化するといわれています。運動不足だと糖尿病の原因となることがありますので、全身の健康のためにも適度な運動を心がけましょう。
つまようじ法とは?
歯周病の予防のために大切なのは歯垢の除去と歯ぐきのマッサージです。汚れがたまりやすい歯と歯の間の歯垢を効果的に取り除く方法が「つまようじ法」です。これは「つまようじ」を使う要領で行う簡単な歯みがき方法ですので、毎日のケアに役立ててください(実際につまようじを使用するわけではありません)。
POINT 1: 歯ブラシの当て方 |
POINT 2: 歯みがきの基本 |
POINT 3: 歯みがきのコツ |
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歯ブラシの毛先を歯の根元から上に向けて約30度の角度で当てます。 | そのままの角度で歯の根元から汚れをかきだします。歯ブラシの毛先が「つまようじ」のように歯と歯の間に入ります。 | 奥歯や歯の裏側は歯ブラシの先のほうを使いましょう。歯面や奥歯の咬み合う部分は「つまようじ法」以外の方法でみがきましょう。 |
「つまようじ法」によって歯ぐきから出血することがあります。また歯ぐきが下がった感じを受けることがありますが、これは腫れていた歯ぐきが引き締まったことを意味します。通常、1~2週間の「つまようじ法」で出血は止まりますので、心配ありません。どうしても不安な場合は、お気軽にご相談ください。
PMTC(歯のクリーニング)
PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)とは口腔衛生のプロフェッショナルが特殊な器具を使って行う歯のクリーニングです。毎日の歯みがきでは落としきれない歯と歯ぐきの溝などにたまった歯垢や歯石を徹底的に除去し、歯周病だけでなく虫歯も予防します。
歯周病治療担当 Dr.宮澤からのメッセージ
歯周病は日本の成人の約8割が罹患しているかその予備軍と言われている国民病です。しかし、自覚症状に乏しいことが進行を見落とす要因になっています。
例えば、30代、40代で罹患した歯周病を放置すると、歯を支える組織(歯周組織)が少しづつ壊れていきます。しかし、歯周病はある程度進行しても虫歯のように激しく痛まないこともあるため、50代、60代で歯のグラつきを感じた時には、すでに歯が抜け落ちるところまで悪化していることもあるのです。
そうならないためにも、お口の中の異常にちょっとでも気づいたら、お早めに歯医者を受診されることをおすすめします。歯磨きすると血が出る、歯と歯の間に食べ物がよくはさまるようになった、食べ物がうまく噛み切れないなどの症状は歯周病のサインかもしれません。
また、歯周病予防には、正しいブラッシングやセルフケアが欠かせません。ご自身で行う正しい歯磨き習慣の実践は歯周病の予防・治療にも繋がります。当院では、患者様一人ひとりのお口の状態に最適なブラッシング方法なども、アドバイスしていますのでお気軽にご相談ください。